アメリカで、トランプ大統領を選んだと言われている白人低所得者のことを少しバカにしたように、面白おかしく論じている日本のメディアを見ます。

彼ら(彼女ら)は、強かったアメリカや白人というだけで優越感を持てていた昔の栄光を忘れられず、それを取り戻してくれそうなトランプさんに期待していると。

オバマさんの民主党時代には、良くも悪くも、オープンで人道的な理想を掲げアメリカを運営していました。
結果、多くの白人中間層は、ヒスパニックやアジア人との競争に破れ、職を失い、収入を失い、プライドを失いました。

自分たちが低所得なのは、アメリカにいる外国人や外国資本のせいだから追い出せ。
自分たち白人が優越されない価値観やルールは変えろ。

一言でいえば、「昔の様な収入とプライドを取り戻したい人達」なのかもしれません。

この先、それが表向きでも達成されたとして、不満や差別心から生まれるものが長続きするとは思えません。
彼らは何を失うのだろうか?と思うのです。

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今の日本も似た様なもんじゃないの?と思うのです。 

民主党時代、大変な期待を持って始まりました。(覚えてます?)

良くも悪くも、オープンで人道的な理想を掲げてました。

・経済政策
内需拡大のため円高誘導、中小企業や労働者への支援。

・セイフティネット社会へ
高校の無償化や障害者支援・生活保護の拡大

・安全保障
沖縄の基地を無くします。
日本の自立化へ

・国家財政の無駄や借金問題に切り込む
事業仕分け、埋蔵金探し


結果は散々なもので、景気はデフレを招き低迷、外交経験がない政権だったため国際的なプレゼンスは下がり、アメリカとも意思疎通が悪くなり、坂を転げ落ちる様にダメな日本になってきました。

そこで、自民党が政権を取り返して、劇的に改善させて今に至る訳。

というストーリーで認識されています。

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ただ、よく見てみると、民主党時代に設定された課題は私たち日本人がよりよい生活を続けていくために、いつかは向き合わざる得ない話ばかりでした。

そして、株価や名目上の景気や賃金は下がりましたが、実際の私たちの生活はどうだったでしょうか?
・デフレ(といっても国際標準に近づいただけ)となり最低限必要なモノやサービスは手に入りやすくなりました。
・子供や女性、低所得者、障がい者への優しい支援策が実際に導入されていました。
・国家財政も無駄な支出に初めてストップが入りました。

GNP世界2位、世界に冠たる日本というプライドを持っていた人からすれば、隠されていた問題を一気に表に出し、猛烈に格好悪い状況だったと思います。

が、実質は案外、良い生活・良い社会になっていた様な実感があります。

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今の自民党はどんな方針なのか?

・経済政策
輸出拡大のため円安誘導、大企業への優遇
→国内生産(中小企業)や生活費(一般市民)はコストアップ 

・競争社会へ
投資優遇、雇用規制の緩和、
障害者や生活保護などの支援抑制。
→勝つ人は益々勝ち、弱者は益々弱者へ

・安全保障
集団的自衛権の設定。
アメリカとの連携促進。
防衛費の拡大
→積極的にアメリカが支持する戦争へ参加する道へ

・国家財政の無駄や借金問題
過去最大の予算の更新
国債発行の増額
→全てを先送り。


大企業の業績が上がり、株価が回復、アメリカべったりの保守的外交も戻ってきて、90年代の高景気時代の日本が戻ってきた様になりました。
それに加えて、戦争も辞さない強く出るタカ派的日本という新しい期待が付与されています。

表向きは良くなりました。
代わりに何を失っているのでしょうか?
 
一言で言えば、あらゆる問題を弱者へ押し付け、先送りして、表向きを良くしようとしているのが今の政権方針だろうと思います。

・経済政策は、大企業が利益を出したので、名目上の成長は遂げていますが、大部分を占める中小企業や一般消費者はそれ以上のコストアップ、生活費アップになっており、実質のマイナスです。

・安全保障は、結局、アメリカの言いなり、沖縄に負担をかけ続ける。
自立した国家という当たり前の話を放棄している様にすら見えます。

・年金などの安全資産を株へ突っ込み株価を支える。
年金支給年齢のさらなる引き上げへ、制度を守り、事実上の破綻へ目をつむる。


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自民党がダメで、昔の民主党が良かった。なんて話が言いたいわけではないのです。

どちらも、私たちの思いを象徴している政権ではないかと。

民主党が象徴していた、今抱えている「問題の大きさ」や「理想への困難さ」に私たちのプライドや対面が傷ついたのではないかと思うのです。

そして、今、プライドや対面を取り戻すことに必死になり過ぎて、実質的な幸福や愛というものを冷静に見ることができなくなっているのではないか?と。

さらに、その対面を気にする国民性が抱えている傷を見透かされて、誰かに都合良く知らない間に誘導されているのではないか?

前の戦争は、外にあるとされた安全保障上の危機や景気低迷の危機を煽られ、それを守り回復しようと、日本人が持っている誠実さや優しさを忘れ、気がつけば、戦争まで引っ張られた。

そんな気がするのです。